特定看護師を目指す方へ
ごあいさつ

社会に求められる
特定看護師の力
教育研修センター センター長
石川 眞理子
保健師助産師看護師法において、「『看護師』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。」とうたわれています。
特定行為研修を受けることで、看護師の療養上の世話の視点に医学の視点が加わり、患者さんの状態把握がより根拠づけられます。特定行為を実施するという技術だけでなく、さまざまな理論を学ぶため、さらに理解が深まり、患者さんのニーズにいち早く対応でき苦痛を最小限に抑えられると考えます。そして、特定看護師から他の看護職員へ、臨床推論やフィジカルアセスメントなどの思考過程が伝達されることによって、看護職員全体の質の向上が望めると思います。
日本は、今後、ますます超高齢化社会が進み労働人口の減少に歯止めがかからない状況が迫っています。医療現場においても医療従事者の減少は深刻な事態となり得るでしょう。働き方改革などにより、看護師の役割はさらに拡大していくと推測されます。医師の指示を待たずに、手順書の範囲内において患者さんに特定行為を実施できる特定看護師の力は、病院、介護施設、在宅のいずれの場面でも必要とされています。
特定行為研修を受講し、地域や自施設で活躍する看護師が増えることを願うとともに、社会に求められる特定看護師を目指す方々の挑戦を心よりお待ちしております。
概況
特定行為とは、高度で専門的な知識・技能を研修により身に付けた看護師が、医師があらかじめ作成した手順書をもとに行う「診療の補助」です。厚生労働省の「特定行為に係る看護師の研修制度」による所定の研修(=特定行為研修)を修了した看護師を、当院では特定看護師と呼び、特定行為を実施できます。特定行為は21区分・38行為に分けられており、修了した区分により実施できる特定行為が異なります。特定看護師は、患者さんの状態に合わせて、タイムリーな医療を提供できるため、医師の到着を待っている間に病状が悪化してしまうことを防げます。
当院は、2024年2月に特定行為研修指定研修機関の指定を受け、2024年7月より特定行為研修を開講いたしました。今後も地域医療および高度医療の現場において、医療安全に配慮しつつ、特定行為に必要な専門的知識および技術を教育し、社会に貢献できる有能な看護師の育成に努めてまいります。

研修の基本理念・目標
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基本理念
地域医療支援病院として、地域医療および高度医療の現場において、医療安全に配慮しつつ、地域包括ケアシステムの一端を担うべく、専門的な知識および技術を教育し、地域社会に貢献できる人材を育成する。 -
目標
1 地域医療および高度医療の現場において、迅速かつ包括的なアセスメントを行い、当該特定行為を行う上での知識、技術および態度の基礎的能力を養う。
2 地域医療および高度医療の現場において、患者の安心に配慮しつつ、必要な特定行為を安全に実施できる基礎的能力を養う。
3 地域医療および高度医療の現場において、問題解決にむけて、他職種と効果的に協働できる能力を養う。
研修スケジュール


※1:臨地実習は自施設で行っていただきます。
募集要項
2025年度特定行為研修の募集要項を掲載いたしました。
受講をご希望の方は、以下より必要書類をダウンロードしてください。
【出願期間:2025年4月1日(火)~4月30日(水)16:00まで】
説明会
特定行為研修の受講希望者の方を対象とした説明会を以下のとおり開催いたします。
「研修説明会申し込み」より、お申し込みください。
お申し込み後、1週間を経過しても当院から連絡がない場合は、お電話にてご連絡ください。
※2025年度の説明会は終了いたしました。
日 時 | 2025年2月25日(火) 15:30~16:30 |
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場 所 | 刈谷豊田総合病院 第3会議室およびZoom (ハイブリット形式) |
スケジュール |
15:30~16:00
特定行為研修制度について 16:00~16:30 質疑応答 |
その他 |
Zoomでの参加をご希望の方には、後日ZoomのIDやパスワードを メールにて送らせていただきます。 |
特定行為研修修了者
慢性疾患管理モデル(糖尿病ケア)修了者
糖尿病看護認定看護師
糖尿病看護認定看護師として培ってきた知識や技術を基盤に、特定行為研修で得られた知識・技術を積み重ね、より良質で高度なケアの提供と看護の質向上に向けた活動を行っています。
患者さんの生活状況や今後の生活に配慮できる看護師としての立場を生かし、活動の場を拡げていきます。
在宅・慢性期領域修了者
特定行為研修で学んだ医学的知識・技術をもとに、患者さんの背景や気持ちに寄り添い、看護の専門性を発揮しながら質の高いケアを提供していきます。また、「医療」と「生活」の視点を統合した共通のゴールを目指し、患者さんとその家族が安心した療養生活を送れるよう支援をしていきます。
特定行為研修修了者として患者さんの苦痛が最小限となるように実践しています。患者さん主体の最善のケアを考え行動できる特定看護師であり続けるよう活動していきます。
術中麻酔管理領域修了者
手術室看護師経験を経て、特定行為研修を受講し術中麻酔領域を修了しました。手術室看護師が麻酔管理に対する考えの理解を深めることは、より質の高い手術室看護の提供につながると考えています。患者さんが安全かつ安心して手術が受けられるよう努めていきます。
術中麻酔領域修了者ですが、手術室ではなく一般病棟・救急領域で活動をしています。研修で身に着けたスキルを最大限に活用できるよう、医師との協力体制や環境を整え、患者さんに安全な特定行為が提供できるよう努めます。
お問い合わせ先
〒448-8505
愛知県刈谷市住吉町5丁目15番地
刈谷豊田総合病院
教育研修センター 特定行為研修担当
TEL:0566-25-7194
E-mail:ktgh.kyoiku@toyota-kai.or.jp