がん総合診療センター
患者の皆さまへ
苦痛を取り除き、生活の質を向上させるためにサポートします
今後わが国では男性の2名に1名、女性の3名に1名ががんに罹患すると予想されています。皆さんの身近な方にも、がんで悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。がんは決して特別な疾患ではなく、誰もがかかりうる病気であることを認識しておかねばなりません。
がん患者さんは、痛み・倦怠感などのさまざまな身体的な苦痛や、落ち込み・悲しみなどの精神的な苦痛を経験することがあります。これらの苦痛を取り除き、患者さんの生活の質を向上させるためにサポートすることが、緩和ケアチームの役割です。がん診療支援室では、この緩和ケアチームの活動を中心に、多くの職種がその専門性を生かしたチームワークを保ちながら、広くがんの診療に関わるさまざまな場面を支援する活動を展開しています。
主な業務と取り組み
- がん化学療法の充実
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近年、がん化学療法の進歩は著しく、多くのがん種に対して殺細胞性抗がん薬、分子標的治療薬、免疫治療薬などさまざまな治療薬が開発されてきました。外来化学療法室では従来から安全で安心な化学療法の実施に取り組んできましたが、2016年10月には新しい化学療法センターを開設し、さらなるがん化学療法の充実をめざします。
現在の15床から30床(ベッド15床、リクライニングチェア15床)へ増床し、さまざまな外来化学療法に対応します。また、安全で確実な抗がん薬を混合調製するために調製用ロボットを導入しました。いくつかの大学病院を除けば、一般病院では国産ロボットによる全国で初の先進的な取り組みです。 - がん患者さんに対する緩和ケア
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がん患者さんの痛み・吐き気・息苦しさなどの身体症状や、不安・せん妄などの精神症状などに対して、薬や処置、ケアやカウンセリングなど色々な手段を有効に活用してその苦痛を和らげ、その人らしさを取り戻せるように努めています。
緩和ケアのこれからの目標は、“がんと診断された早期から”、“いつでもどこでもだれでも”、“患者さんだけでなくご家族も”緩和ケアを受けられるようになることです。緩和ケアチームが中心になり、通院患者さんと入院患者さんのどちらにも対応しています。また2014年10月に緩和ケア病棟を開棟しました。 - がん相談
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通院あるいは入院中のがん患者さんならびにご家族からの、診断・治療・療養などのあらゆる場面で生じるさまざまな相談に対して、専門のがん相談窓口を開設して対応しています。
専門資格を有する相談員2名を中心に総合相談室との連携で相談にお応えしています。また、ピアサポーター(がん治療経験者)からなる外部団体(ミーネット)との連携をはかり、月に1回、ピアサポーターによる院内がん相談会も開催しています。がん患者さんの就労支援のため、月に1回、社会保険労務士に相談できる窓口(予約制)も開設しており、さまざまな支援体制を整えています。 - 研修・教育の場の提供
- 院内外の医療関係者に対して、がん医療に関する研修や教育の機会を提供することにより、患者さんが多くの医療機関で緩和ケアを受けられるように普及をはかっています。また、市民セミナーを開催して、一般市民の方にもがんに関する情報の提供を行っています。
- 愛知県がん診療拠点病院の指定要件の整備
- 当院が地域のがん医療の中心としての役割を果たせるように、愛知県がん診療拠点病院として要求されている要件を満たし保てるよう整備に努めています。
スタッフ構成・資格
消化器外科医 | 1名 | 麻酔科医 | 1名 | 精神科医 | 1名 |
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医療ソーシャルワーカー | 1名 | 薬剤師 | 1名 | 看護師 | 2名 |