医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院

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乳腺外科

診療責任者

川口 暢子
  • 部長
  • 兼 手術室室長

患者の皆さまへの一言

日本人女性の乳がん罹患数は増加し、今や9人に1人がかかる病気となりました。当院では画像診断から生検、手術、薬物治療に至るまで、複数の専門医が数々のエビデンスおよび乳がん診療ガイドラインを参考にした標準治療を行っております。また他科と連携しながら、病状や合併症を考慮し、一人一人に合わせた治療を目指しております。治療に関するお悩みがあれば、医師またはスタッフにお気軽にご相談ください。

代表的な対応疾患

  • 乳腺疾患

診療内容

検査・診断
当院での乳腺検査は女性の放射線技師(または担当医)が行います。
マンモグラフィはHologic社のトモシンセシス(3D)を使用しており、断層像を取り入れることにより、より詳細な診断が可能となっております。また良性・悪性の鑑別を要する石灰化に対して確定診断のために行うステレオガイド下マンモトーム生検は、このトモシンセシスを用いることにより、石灰化の正確な採取と検査時間の短縮に役立っています。
マンモグラフィを確認しながら精密な乳腺超音波検査(エコー)を行い、それらの画像は画像診断の経験豊富な専門医が読影します。
しこり(腫瘤)に対する確定診断(良性か悪性かをはっきりさせる)としては、針生検または超音波ガイド下吸引式針生検を行います。検査時の痛みができるだけ少ないように、また短時間で最適な病変部が確実に取れるように心がけております。
組織検査の結果、残念ながら乳がんと診断された場合には、乳腺MRIで乳腺の中にどれだけがんが広がっているか拡がり診断を行います。また必要時は追加でCTやPET-CTを用いて遠隔転移の診断を行います。
治療(手術)

術前の画像診断で乳がんの拡がりが広い場合は乳房切除を、乳がんが限局している場合は乳腺部分切除術(乳房温存手術:原則的に術後に放射線治療が必要)を行います。当院の乳がんの手術件数のうち乳房温存手術の割合は約 60%です。また、術前の画像診断でリンパ節への転移を認めない場合は、乳腺の手術と同時にセンチネルリンパ節※ 生検をアイソトープと色素の併用法で行っています。

がんがリンパ管に入った場合、最初に流れ着くリンパ節(乳がんの場合多くは腋窩(えきか:わきの下)方向)をセンチネルリンパ節といいます。センチネルとは「見張り番」や「門番」の意味です。

治療(薬物療法)

術前・術後の薬物療法は、がんの進行度やサブタイプ※ などの結果を元に、また「乳がん診療ガイドライン」などを参考にして、患者さんと話し合いながら決定しております。通常の外来で施行できるホルモン療法の他、病状に合わせて、薬剤部や化学療法センターの協力を得て、抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チエックポイント阻害剤などを用いた術前・術後の化学療法を行っております。
再発や転移乳がんの患者さんは、再発や転移の部位によって、関連する他科と連携を取りながら、また必要時は緩和医療も並行しながら、QOL(生活の質)を保ちつつできるだけ長生きしていただく治療を目指しています。
治療に関する精神的なお悩みは、担当医師や外来看護スタッフの他、専門看護師、認定看護師による相談窓口、また経済的なお悩みはMSW(患者サポートセンター)などに相談が可能です。

乳がんは、がん細胞が持つ遺伝子の特徴により5つのサブタイプに分けられ、それぞれがん細胞の性質が異なります。当院では、がん細胞の性質に適した薬を選択して、1種類または組み合わせて使用しています。

診療方針

患者さんへのお願い
当院を受診される患者さんは、新規に手術などの治療を必要とする方、再発・転移乳がんの方、術前・術後の抗がん剤治療を必要とする方など重症な方が多くおられます。
痛みや不安を抱える患者さんに寄り添い、安心して治療を受けていただきたいという思いから、お一人あたりの診察時間も長くなる傾向にありますが、患者さんに合った治療を考え、十分にご説明し、患者さんにご同意いただいた上で、治療を進めてまいります。
外来受診の患者さんには待ち時間でご迷惑をおかけする場合がございますが、何卒、事情をご賢察の上、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
また、当院は地域医療支援病院の承認を受けており、地域の中で、精密検査や専門医療を担っています。地域の医療機関と連携、役割分担しながら適切な医療を提供するため、検診の2次精査の結果で良性と診断された方、乳がんの術後経過が良好な患者さんは初期治療が落ち着いた段階で、地域連携パスなどを通じて近医乳腺クリニックあるいはかかりつけの医療機関への定期受診のご協力をお願いしております。ご理解くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

診療実績

疾患別の治療・手術・検査実績(件)

  2021年 2022年 2023年
乳がん手術 122 142 111

医師紹介

氏名 役職 出身大学 医師免許取得年 主な専門領域 指導医・専門医・認定医など
川口 暢子 部長 名古屋市立大学 1989年 乳腺外科全般
  • 日本外科学会
    外科専門医
  • 日本消化器外科学会
    認定医
  • 日本乳癌学会
    乳腺指導医、乳腺専門医
  • 検診関連6学会認定
    検診マンモグラフィ読影認定医(AS)
    乳がん検診超音波実施・判定医(A)
  • 臨床研修指導医
森 万希子 医長 名古屋市立大学 2012年 乳腺外科全般
  • 日本外科学会
    外科専門医
  • 日本乳癌学会
    乳腺専門医、乳腺認定医
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構認定
    検診マンモグラフィ読影認定医(A)
    乳がん検診超音波実施・判定医(A)
内藤 明広 乳腺外科顧問 名古屋市立大学 1988年 乳腺外科全般
  • 日本外科学会
    外科専門医、認定医
  • 日本乳癌学会
    乳腺専門医、乳腺認定医
  • 日本消化器外科学会
    認定医、消化器がん外科治療認定医
  • 日本がん治療認定医機構
    がん治療認定医、暫定教育医
  • 日本内分泌外科学会
    内分泌・甲状腺外科専門医
  • 日本高気圧環境・潜水医学会
    高気圧酸素治療専門医
  • 検診関連6学会認定
    検診マンモグラフィ読影認定医(A)
  • 臨床研修指導医

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