肝胆膵
診療責任者
- 山本 稔
-
- 消化器外科部長
- 兼 肝胆膵外科部長
- 兼 高気圧酸素治療室室長
患者の皆さまへの一言
良性疾患である胆石症、総胆管結石、膵体尾部良性腫瘍には、患者さんに優しい腹腔鏡下手術を行っています。
悪性疾患である肝臓・胆道・膵臓のがんに対しても多くの手術を行っており、肝切除術や膵体尾部切除術は腹腔鏡下手術での治療も行っています。
当院は日本肝胆膵外科学会が認定する「日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設B」に認定されています。日本肝胆膵外科学会高度技能指導医のもと、難度の高い肝臓・胆道・膵臓のがんに対する手術も積極的に行っています。セカンドオピニオンにも対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
代表的な対応疾患
- 肝臓がん(肝細胞がん、胆管細胞がん、転移性肝がん)
- 胆嚢がん、胆管がん
- 膵がん
- 十二指腸乳頭部がん
- 肝内結石症、総胆管結石症、胆嚢結石症、胆嚢ポリープ
- 総胆管拡張症、膵胆管合流異常症
- 慢性膵炎
- 脾疾患(門脈圧亢進症、血液疾患)
診療内容
肝臓、胆嚢・胆管、膵臓の疾患を対象としています。最も患者さんが多い疾患は胆石、胆嚢炎ですが、総胆管結石症も含めてほとんどの症例に腹腔鏡下胆摘術を第一選択にしています。また急性胆嚢炎に対してはガイドライン(適切な治療法を示した指針)に従い、腹腔鏡下手術を第一選択に治療しています。
- 肝切除術
- 肝臓がんによる死亡率は臓器別に見ると3位と高くなっています。肝切除術の主な対象は、原発性肝がん(主に肝細胞がん、肝管細胞がん)、転移性肝がん(主に大腸がんの転移)、胆嚢がん、肝門部胆管がんなどです。
肝細胞がんは慢性肝炎や肝硬変の患者さんに発生することが多いので、肝予備力と根治性を考慮した術式を原則としています。肝臓がんに対する肝切除術に対しても腹腔鏡下手術を積極的に施行しています。
胆嚢がんや肝門部胆管がんなどで大きな肝切除が必要になる場合、術後肝不全の予防のため手術前から血管造影の技術を使って、残す予定の肝臓を肥大させるようにさせ、安全な手術を心がけています。 - 膵切除術
- 膵臓がんによる死亡率は、臓器別に見ると5位となっており、膵がんの治療成績は満足できる結果が得られていないのが現状です。膵切除術の対象は膵がん、嚢胞性膵腫瘍、十二指腸乳頭がん、中下部胆管がん、膵内分泌腫瘍、難治性慢性膵炎、胃がん(膵浸潤)などです。
膵頭部領域の悪性病変に対しては、原則、幽門輪を切除する亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(膵臓頭部・十二指腸・胆嚢・総胆管を切除する手術)を行っています。胃がほとんど残るので術後も術前と同じように食事をしていただけます。また、幽門輪を切除することにより、術後早期からの食事摂取が可能です。膵臓と小腸を吻合するので、合併症の起こりやすい手術ですが、色々な工夫をして良好な経過で退院していただいています。
膵体尾部の腫瘍に対しては、腹腔鏡下膵体尾部切除も積極的に行っています。手術創も小さく術後の疼痛も少ないため、早期の日常生活復帰が期待できます。 - その他
- 膵胆管合流異常、肝嚢胞などに対して手術を行っています。
診療方針
肝胆膵外科領域のがんの治療においては、ガイドラインに基づいて、手術治療だけでなく必要に応じて化学療法や放射線治療を含めた集学的治療を施行することを基本方針としています。また、胃がんや大腸がんなどの手術と異なり、手術の難易度が極めて高いため術後合併症の頻度が高く、重篤な合併症へと発展する可能性があります。当科では、術前に消化器内科、放射線科、麻酔科と連携して適切な術式を選択し、また合併症を最小限にすべく努力し、万が一合併症が発生した場合にも迅速に適切な対応を取ることを心がけています。良性疾患である胆嚢結石症、総胆管結石症、膵体尾部腫瘍などに対しては、腹腔鏡下手術により創痛軽減や早期退院を可能にしています。
診療実績
疾患別の治療・手術・検査実績(件)
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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腹腔鏡下肝嚢胞開窓術 | 0 | 1 | 7 |
肝部分切除術 | 4 | 4 | 3 |
肝外側区域切除術 | 0 | 0 | 0 |
肝区域切除術 | 9(腹腔鏡5) | 3 | 2 |
肝系統的亜区域切除術 | 1(腹腔鏡1) | 3(腹腔鏡3) | 1(腹腔鏡1) |
肝葉切除 | 3(腹腔鏡1) | 2(腹腔鏡1) | 3(腹腔鏡3) |
腹腔鏡下肝部分切除術 | 31 | 26 | 32 |
腹腔鏡下肝外側区域切除 | 0 | 1 | 1 |
腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 202 | 204 | 227 |
開腹胆嚢摘出術 | 0 | 1 | 0 |
腹腔鏡下胆管切開切石術 | 4 | 1 | 4 |
開腹胆管切開切石術 | 0 | 1 | 0 |
胆道再建術 | 1 | 0 | 0 |
胆道バイパス術 | 1 | 0 | 0 |
総胆管拡張症手術 | 0 | 0 | 0 |
胆管悪性腫瘍手術 | 1 | 2 | 0 |
腹腔鏡下膵体尾部切除術(良性) | 2 | 3 | 6 |
開腹膵体尾部切除術(良性) | 0 | 0 | 0 |
膵嚢胞消化管吻合術 | 0 | 0 | 0 |
膵消化管吻合術 | 0 | 0 | 0 |
急性膵炎手術 | 0 | 0 | 0 |
膵頭十二指腸切除術 | 19 | 18 | 22 |
膵体尾部切除術(悪性) | 9(腹腔鏡8) | 6(腹腔鏡5) | 2(腹腔鏡2) |
膵全摘術 | 0 | 0 | 1 |
腹腔鏡下脾摘術 | 0 | 2 | 1 |
開腹脾摘術 | 0 | 0 | 0 |
医師紹介
氏名 | 役職 | 出身大学 | 医師免許取得年 | 主な専門領域 | 指導医・専門医・認定医など |
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木村 昌弘 | 副院長 外科統括部長 がん総合診療センター長 |
名古屋市立大学 | 1989年 | 消化器外科 |
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山本 稔 | 消化器外科部長 | 名古屋市立大学 | 1993年 | 消化器外科、 肝胆膵外科 |
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宮井 博隆 | 上部消化管外科部長 | 名古屋市立大学 | 2000年 | 消化器外科、 上部消化管外科 |
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廣川 高久 | 下部消化管外科部長 | 山梨医科大学 | 2003年 | 消化器外科、 下部消化管外科 |
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今藤 裕之 | 消化器外科医長 | 名古屋市立大学 | 2006年 | 消化器外科 |
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上野 修平 | 消化器外科医長 | 名古屋市立大学 | 2010年 | 消化器外科 |
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加藤 匠 | 消化器外科医員 | 名古屋市立大学 | 2020年 | 消化器外科 | |
中澤 充樹 | 消化器外科医員 | 名古屋市立大学 | 2021年 | 消化器外科 | |
庭本 涼佑 | 消化器外科医員 | 名古屋市立大学 | 2021年 | 消化器外科 | |
田中 守嗣 | 顧問 | 名古屋市立大学 | 1981年 | 消化器外科、 肝胆膵外科 |
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小林 建司 | 消化器外科顧問 | 名古屋市立大学 | 1986年 | 消化器外科、 下部消化管外科 |
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