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- IT化の進化
医療におけるIT化の推進は、今後の当院の果たしていく役割からも重要なテーマの一つです。早くから電子カルテを導入し、病院業務のIT化に取り組んでまいりましたが、現在は複雑なシステムの統合を実現して病院業務をトータルで管理。多職種連携での情報共有や効率化などで大きな成果を上げております。今後は、地域医療連携、チーム医療、専門医育成、災害医療などに欠かせないツールとしての活用が期待できます。
情報共有や効率化など、
メリットの大きい電子カルテ
電子カルテの導入
医療技術の複雑化やスピード化、チーム医療の浸透などを背景に、医療の世界でもIT化は重要なテーマとなっています。当院は早期から業務のIT化を目指し、平成18年に電子カルテを導入しています。
電子カルテ導入のメリットは、紙カルテよりも閲覧性が高まり、タイムリーに医療従事者が必要とする治療歴などの情報を共有、複数部門が並行して治療を行える効率性の向上です。事務部門の作業効率も向上、紙カルテに付きものだった保管スペース確保の悩みも解消し、職員の事務作業負担を軽減し、コストダウンにもつながりました。
診断から治療までの時間短縮
患者さんにとってもIT導入の効果は大きいです。病院での長い待ち時間の短縮、医療安全(認証システム)、検査結果が即時に分かることで診断から治療までの時間短縮にもつながるなど、IT化はサービスとしての医療の質向上にもつながっています。
多様なシステムを統合し、
大規模システムを実現
二段階方式での導入を実施
電子カルテ化に際して、一斉の切り替えでは慣れない入力作業や混乱から医療自体にも影響するおそれもあったため、あえて二段階方式での導入を実施しました。第一段階としてオーダリングおよび部門システムを稼働。オーダリングによる業務管理が安定したところで、第二段階として医師記録関連のシステムを導入し、円滑に電子カルテ化を実現しました。導入にあたっては250人参加の大規模なリハーサルなどを入念に行い、人命と健康を預かる病院業務で万が一のことがないよう細心の注意を払いました。
病院機能全体の効率化を実現
当院は他の電子カルテに関連する約40にわたるシステムを統合し、大学病院にも匹敵する大規模統合システムを構築しています。電子カルテシステムを中核として、各種検査・手術・薬剤・給食・ICU・診断書・分析などの医療情報の各システムが連動。メーカーの異なるシステムをシームレスに連結し、患者さんと依頼情報・結果情報の共有を円滑に行うことで、高度な医療情報の統合管理が可能となりました。さらに人事・会計などの情報システムも接続。地域医療ネットワークなど外部システムとの接続で、病院機能全体の効率化を実現しました。平成29年8月には電子カルテシステムを更新し、安定したシステム環境の整備に努めております。
地域医療連携に貢献
チーム医療、災害医療にも活用
リスク低減やセキュリティ強化に向けた改善
さまざまな場面での患者認証システムの確立はITの将来を見越した当院独自の取り組みです。現在も毎年度、機能向上を目指してカスタマイズを続けており、医療情報システムではレスポンスの50%向上を実現、医療であってはならないシステム停止についてもリスク低減やセキュリティ強化に向けた改善を進めています。
また先端医療において不可欠な画像管理システムの強化も当院が特に重視する部門です。MRI、CT検査などの画像診断における高精細画像が医療で果たす役割は大きく、画像情報管理室に大容量のサーバーを設置、長期保存と瞬時に閲覧できるシステムとなっています。
手術映像をカンファレスなどで閲覧
また、近年では映像を記録できるシステムを導入し、手術映像をカンファレンスなどで閲覧でき、医師育成にも活用されるなど、その可能性は幅広く多岐にわたります。
かかりつけ医の地域診療所約110カ所とオンラインで連結
当院でも普及が進むチーム医療についてIT化のもたらす効果は大きく、多職種連携が必要な疾病では情報共有が容易となり、きめ細やかな治療が可能となります。将来的には音声通話の院内連絡にタブレット端末などを使用し、さらに密度の濃い情報共有も期待できます。
当院のシステムは、院内利用に留まらず、3市1町(刈谷市・高浜市・知立市・東浦町)による「衣浦定住自立圏ビジョン」の下、地域医療を結ぶ重要な情報インフラの機能も果たすこととなりました。現在かかりつけ医の地域診療所約110カ所とオンラインで連結しており、情報共有に欠かせないツールとなっています。
セキュリティでは特に災害時のBCP(事業継続)を重視。東海・東南海地震の危険性が高まる中、地震・水害に耐える免震構造やシステムダウン回避など、システムを守る仕組みづくりに力を注いでいます。画像統合管理室を司令塔として、映像で院内外の状況を把握する機能整備にも取り組んでいます。