ISO15189
刈谷豊田総合病院 臨床検査・病理技術科 ISO15189認定取得
医療法人豊田会刈谷豊田総合病院臨床検査・病理技術科は、臨床検査室の国際標準ISO15189を2010年11月9日付けで認定取得いたしております。
従来より病院全体で認証取得した品質ISO9001が展開されておりましたが、臨床検査室に特化したISO15189認定取得にあたり、当院が取り組んだ活動について紹介いたします。
ISO15189・・・臨床検査室の国際規格
ISO15189とは、臨床検査室の品質と能力に関する特定要求事項を提供するものとして国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)が作成した国際規格です。
ISO15189は品質マネジメントシステムと技術的要求事項から構成されており、認定取得した臨床検査室の検査値は国際的に通用することを意味します。
臨床検査室 品質方針
- 臨床検査・病理技術科(以下、臨床検査室)は、顧客に提供するサービスとして、尿・糞便検査、血液学的検査、生化学的検査(Ⅰ)、生化学的検査(Ⅱ)、免疫学的検査、微生物学的分野、遺伝子学的検査、特定健診に関する検査、病理学的検査、生理学的検査、外来採血、外部委託検査の検体採取から受付、依頼者への結果報告に至る全過程を適用範囲とします。
又、検査の品質に影響する検体採取から精度管理、検査室の環境整備、人事・教育にも適用し、安定的な精度の向上に努めます。 - 臨床検査室は、急性期医療に貢献すべく常に正確で迅速な検査データを提供し、患者及び患者診療に責任をもつ人のニーズに答えることを検査室サービスの目的とします。
- 品質マネジメントシステムの安定稼動と良好な業務習慣の維持に努め、全ての顧客の利益を優先し継続的な改善を目的に展開させていきます。
- 臨床検査室従事者全ての要員に対し、品質関連文書を熟知させ、定期的な教育と啓蒙活動により、方針と手順等の要求事項を履行させます。
- 臨床検査室は、品質マネジメントシステムの遵守に対し、その将来に渡る保証のため品質方針を尊重し、臨床検査の発展に貢献すべく優れた人材育成に努めます。
- 臨床検査室は、国際規格への適合性の遵守はもとより、品質方針及び品質目標を達成させ、その成果として全ての顧客に対し満足と信頼感を提供します。
2016年2月26日 [13版]検査部長
臨床検査室 認定登録証
-
臨床検査室 認定登録証
-
認定登録証 附属書
ISO15189認定取得までの背景
ISO14001・9001取得の経験を活かし、コンサルタントに依頼せず科内で理解を深め認定取得しました。
- プロジェクトチームの立ち上げ:2006年4月
- 2006年4月にISO15189認定取得のため、科内にてプロジェクトチームを立ち上げました。そして、1年をかけプロジェクトチームにより要求事項に関する科内勉強会を行い、理解と知識を深めました。
- スタッフ教育:2007年4月
- 科内にて内部監査員教育を定期的に実施すると共に、外部教育にも積極的に参加しさらなる理解に努めました。また、ISO15189認定取得施設の見学なども行い、運用状況の確認をさせていただきました。
内部監査員養成講座(ベックマン・コールター主催他) 8名 ISO15189関連セミナー(シスメックス主催他) 21名
富山大学付属病院 検査部 見学 2007年11月 名古屋大学付属病院 検査部 見学 2009年12月 - 文書作成:2008年4月
- 品質マニュアルから管理文書や管理台帳、SOPなどを約2年かけ作成しました。管理文書は、管理主体、品質管理者を中心に、SOPは技術管理者およびスタッフにより主に業務時間外において作成しました。
- 環境整備:2009年4月
- 5S活動の再徹底、不用品の識別・撤去を行いました。また、取得費用、必要物品、細菌検査室の前室整備の予算取りを行い、前室は2010年4月に着工し6月に完成しました。
- 認定審査:2010年2月
- 2010年2月に日本適合性認定協会へ申請を行い、4月に予備訪問、8月23・24・25日に現地審査を受審しました。その後11月9日の判定会議にて国内57番目の認定施設として認定取得を受けました。