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ロボット支援膀胱全摘除術(保険診療)

ロボット支援膀胱全摘除術(保険診療)とは?

2018年4月から保険診療として認可されたロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術を、当院泌尿器科では2018年8月から実施しております。
ロボット(ダヴィンチ)を利用して膀胱を摘除する腹腔鏡手術です。お腹の中を炭酸ガスで膨らまして行います。 右図のようにお腹に小さな穴を6カ所あけ、ダヴィンチをドッキング(装着)し、穴からロボットの鉗子やカメラなどを挿入して手術を行います。 腸を上腹部に移動させるために体位を25度頭低位にして行います。 手術は全身麻酔で行い、手術時間は6~8時間を予定します。

膀胱の周囲を剥離し、膀胱と尿道を離断して膀胱を摘除します。男性では前立腺を、女性では子宮を膀胱とともに摘除します。 同時に、骨盤内のリンパ組織を取り除くリンパ節郭清を行います。   


膀胱を摘除した後に尿路を変更する必要があります。尿路変更には回腸導管(ストマ)と代用膀胱(自排尿型)があり、症例によって選択します。
【回腸導管】小腸を利用してストマを作成します。
【代用膀胱】小腸を利用して膀胱に代わる尿を貯める袋を作成して尿道につなぎます。   

対象は?

根の深い筋層浸潤性膀胱がんと高悪性度の筋層非浸潤性膀胱がんの方を対象とします。
頭低位で行うため未破裂の脳動脈瘤の患者さんや緑内障の患者さんは適応にならないことがあります。

実績は?

2019年度 11件
2020年度 6件
2021年度 13件
2022年度 11件
2023年度 12件

効果は?

出血量が少ない
頭低位にすること、気腹圧がかかることにより出血が極めて少なくなります。拡大3D画像、鉗子の操作性の向上により 鮮明な術野での繊細な手術が可能となりました。そのため、膀胱周囲の剥離操作を繊細に行うことができます。
傷の痛みが少ない、回復が早い
開腹手術に比べると、傷の痛みが少ないため手術翌日から歩行することが可能です。手術後の腸の動きを見て術後2-3日目から食事を再開します。
入院期間の短縮、早期の社会復帰
術後3-4週間程度での退院を目指します。早期の社会復帰が可能です。
治療実績
新しい術式であり、膀胱がんの治療成績に関して長い期間のデータはまだありません。 確定的ではありませんが、従来の開腹手術に比べて大きな差はないと考えられます。

入院期間・費用は?

入院期間の目安、および1割負担の方、3割負担の方の自己負担金額は以下のとおりです。

手術内容 入院期間 自己負担金額(1割負担) 自己負担金額(3割負担)
腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術
(膀胱全摘)(回腸または結腸導管を利用して
尿路変更を行うもの)
30日 10万円(食事代含む) 90万円(食事代含む)

医療費が高額と予想される患者さんについて

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。

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