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脳腫瘍に対する光線力学的療法

脳腫瘍に対する光線力学的療法とは?


光線力学的療法(PDT)とは、腫瘍組織や新生血管に集まる性質を持った光感受性物質(ひかりかんじゅせいぶっしつ)を患者さんに投与し、光感受性物質が集まった箇所にレーザー光を照射して、光感受性物質に光化学反応を引き起こして活性酸素を発生させ、がん細胞を変性・壊死させる治療法です。この治療法は世界に先駆けて日本で開発された治療法で2014年1月1日に保険収載されました。これにより、悪性脳腫瘍に対するPDTを保険適用の治療として行うことが可能になりました。

対象および方法は?

光線力学的療法(PDT)は、初発・再発を問わず、原発性であれば全ての悪性脳腫瘍が対象になります。開頭による脳腫瘍切除術と併用して行われます。まず、手術前の段階で患者に腫瘍組織や新生血管への集積性がある光感受性物質を投与します。そして、開頭して腫瘍を切除した後、腫瘍摘出腔にレーザー光を照射し、手術で取りきれなかった腫瘍細胞を死滅させます。(光線過敏症などの副作用対応として、治療後2週間程度は500ルクス以下の環境での生活を要します)

利点は?

PDTの大きなメリットは、悪性腫瘍を狙い撃ちにするため、正常な細胞を傷つけるリスクが少ないという点です。また、一般的な高出力のレーザー治療とは異なり、手をかざしてもほとんど熱さを感じない程度のレーザー光を用いるため、患者さんへの負担が少ないなどの特徴があります。

治療実績は?

全生存率(OS) 1年 2年 3年
PDT実施(13例) 100.0% 60.6% 34.6%
標準治療のみ 61.0% 10.7% -

(Jpn Neurosurg Vol.25 No.11 2016 p.895-904より)

PDT施行初発膠芽腫の最新の報告(東京女子医大)によると、悪性脳腫瘍における世界標準の1年生存率が61%であるのに対し、PDT治療の1年生存率は100%です。さらに生存期間を比較すると、世界標準が14.6カ月に対し、31.5カ月と2倍以上というめざましい成績が出ています。

当院の現状は?

PDTは現在東京女子医科大学病院、東京医科大学病院、京都大学病院などで盛んに行われている治療法ですが、当院では2017年4月に導入し、2017年8月現在で計6例施行しており経過も順調です。今後も積極的にPDTを取り入れ、患者さんへの負担を最小限に最大の治癒効果を上げていきたいと考えております。

入院期間・費用は?

入院期間および費用については症状により異なります。治療説明または入院説明時にお知らせします。

医療費が高額と予想される患者さんについて

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。

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