中央棟の新設に伴い、東海3県随一の広さの733㎡の内視鏡センターが平成23年2月に開設されました。 これまでの当院の内視鏡治療では、地域の基幹病院としての役割を担うため、最新の画像・機能を有する内視鏡器機をそろえ、 がんの診断・治療のみならず、緊急内視鏡診療は24時間体制で行ってまいりました。早期消化管癌の内視鏡的治療は、 新しい切除法である内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal resection:ESD)を平成17年より導入し、平成25年3月まで約500例行い、良好な成績を収めています。また、暗黒の大陸と言われてきた小腸疾患の診断・治療にも力を入れており、いち早くダブルバルーン内視鏡(小腸内視鏡)を導入し、負担の少ないカプセル内視鏡も行っています。内視鏡検査には、消化器内視鏡・気管支鏡検査があり、旧内視鏡室では主に消化管内視鏡検査・治療を行い、X線透視装置のあるTV室では、透視の必要な消化管・胆嚢・膵臓、気管支の内視鏡検査・治療を行ってまいりました。今回、内視鏡センターの開設にともない、最新の内視鏡器機をそろえ、内視鏡検査室4室とX線透視装置のあるTV室3室の合計7室の検査室を有することとなりました。これまでX線透視の必要な内視鏡診療の際には、同じフロアーのTV室に移動していただいていましたが、今後はセンター内ですべての内視鏡診療が可能となります。また、テレビ室のうち1室は陰圧室とし、空気感染対策が必要な気管支鏡・胸腔鏡検査(結核検査等)に有用です。さらに、各所に点在していた受付、待合室、リカバリー、トイレ、更衣室、面談室もセンター内に配置され、患者さんの検査前後の環境が整備され、動線が格段に短くなります。また、内視鏡検査を受ける患者さんに対し、検査前から検査後まで内視鏡センター専従スタッフが対応することにより、より専門性を高めた医療を提供し、患者サービスの向上につなげていきたいと考えております。