〇新厨房
給食システムについて
今回、新厨房の建設に当たりハードとソフトを改革しました。新厨房をセンターキッチンとし、電化厨房で食品のもつ栄養価を損なわずに食材の美味しさを引き出す真空調理法を採用しました。また、調理が困難な料理や大量の調理を一定の品質で提供でき、衛生的で食中毒予防にも役立つクックチルを使用した新調理システムも導入しています。各病棟(14ヵ所)にはパントリー(厨房)を設け、サテライトキッチンとしました。そして病棟パントリーでは最終的な調理や患者個々のメニューで盛り付け、常に出来立ての料理を一般の外食サービスのようにお客さんと対面、つまり患者さんの顔を見ながら食事を提供することが可能となりました。
また、HACCP(危害重要管理点分析法)の概念に基づいた調理施設のトータル温度管理システムを導入し、冷蔵庫など機器の温度記録はもちろん、検収時の温度記録や各工程においての作業及び温度記録が集中管理できます。事務所と調理室では厨房レイアウトが表示され、警報発生状況を一目で確認できるため異常を見逃す事が無く、履歴管理もされます。
新厨房には最新式の機器がいくつか導入されています。専用のフィルムパックに食材と調味料を入れ、真空状態で低温加熱を長時間行い冷却保存できる真空包装機と、調理後の熱いままで食材を脱気できるノズル式真空包装機があります。また、不純物を最大限除去した「より安全な水」で味を損なう要素を減らし素材を活かした調理ができるRO水(逆浸透膜〈RO膜〉で作られた水)、電解次亜水が高い殺菌・除菌効果のあるFEクリーン水(電解次亜水)でノロウィルス感染予防ができます。
今までの中央配膳方式の限界を解決し、現実に求められている患者さんの期待と満足度を上げ、臨床の栄養に貢献できると考えています。また同時に病院ブランドの向上にも大きく寄与する事ができる食事サービスを行っていきたいと思います。