乳腺検査
乳腺検査とは
現在、日本人女性の11人に1人が乳がんになるといわれています。しかし早期発見であれば約90%の方が治癒します。
乳腺検査はマンモグラフィと超音波検査を行うのが一般的です。指摘された病変に対しては、必要に応じて細胞や組織を採取してその良悪性を調べます。細胞を採取する場合は細胞診、組織を採取する場合は組織診またはマンモトーム生検検査を行います。
使用装置
検査の流れ・所要時間
マンモグラフィ
マンモグラフィとは乳房のX線写真のことで、乳房をプラスチックの板で押さえ、薄く伸ばした状態で撮影を行う検査です。痛みを伴う場合もありますが、圧迫することでより情報の多い写真を撮ることができます。触診でしこりとして触れる前(早期)の乳がんは微細な石灰化として発見されることが多くあり、この描出に優れています。
所要時間は10分程度です。(撮影枚数により検査時間は異なります。)
超音波検査
超音波検査は、ベッドに横になった状態で乳房にゼリーを塗り、超音波の送受信機を当てて行う簡便な検査です。しこりの内部までよく観察することができるため良性・悪性の区別がつく場合もあります。
これらの検査を併用することによって、より精度の高い検査を行うことができます。
所要時間は15〜20分程度です。
マンモトーム生検
マンモトーム生検とは吸引式組織生検の一つです。「超音波ガイド下マンモトーム生検」と「ステレオガイド下マンモトーム生検」の2種類があります。
超音波ガイド下マンモトーム生検は、超音波下で病変を確認し、吸引機能を持つ針で組織を採取します。1回の穿刺で複数の標本が採取でき、針の周囲360°の採取が可能なので診断精度が高くなります。また、検査後の傷跡も小さく、乳房の変形もありません。痛みや体への負担が少ないというメリットがあります。所要時間は20分です。(場合によってはそれよりも長くなることがあります。)
ステレオガイド下マンモトーム生検は、マンモグラフィ下で生検が行われます。対象となるのは、マンモグラフィでしか描出できない病変、主に石灰化病変が挙げられます。多くは良性石灰化ですが、ごく早期の乳がんが石灰化で発見されることがあります。ステレオガイド下マンモトーム生検には座位型・腹臥位型・側臥位型がありますが、当院では側臥位型を導入しています。また、トモシンセシス機能(乳房を多断面で撮影する)も搭載され、より正確な病変位置の把握が可能です。所要時間は30分です。(場合によってはそれよりも長くなることがあります。)